さて、ドイツのノルトライン=ヴェストファーレン州でフリーランスの芸術家への補償支払いが既に行われたということは
日本が税金で芸術文化を援助するのは変ですか その1
で書きましたが、当州以外の州の補償等の状況はどうなっているか見て行きたいと思います。
長くなったのでページを分けました。その1はまだ読んでないよ~という方は、まずはその1をどうぞ。
ドイツの他の州は?
ドイツの16の全ての州で援助の申請が出来ます。企業向けというか特に業種でのくくりはありませんが、芸術家への援助を特別に設けている州もあります。
やはり州により金額や条件が違いますが、従業員の数が
5人までの企業には9.000ユーロ(約100万円)
10人までの企業には15.000ユーロ(約180万円)
50人までの企業には30.000ユーロ(約360万円)
という州が多数でした。この提示の金額がまるまるもらえるのか、最高がこの金額であるのかは州によって違います。
だいたいどこも返済の必要はないようです。
他の州と大幅に金額が違うのはハンブルク州とラインラント=プファルツ州です。
ハンブルク州では
従業員がいない個人事業者でも最高11.500ユーロ(約135万円)
従業員が5人までの企業には最高14.000ユーロ(約165万円)
ラインラント=プファルツ州では
従業員が5人までの企業に最高19.000ユーロ(約225万円)
この様な金額が援助されてるようです。
「芸術家」と特定の職業を名指ししたのは、ニーダーザクセン州、ザクセン=アンハルト州、ノルトライン=ヴェストファーレン州の3州でした。
ニーダーザクセン州は他の従業員が〇人まで~のところにあてはめられるようです。
ザクセン=アンハルト州では最高2ヵ月まで月に400ユーロ支払われるとのことです。
ノルトライン=ヴェストファーレン州は先述の通り最高2000ユーロ支払われました。
※ここに書きだしたのは今回の救済措置の一部で、条件や貸付についてなど各州それぞれあります。
芸術って生きて行く上で必要ない?
芸術とか文化って、本当に無くてもいいものなのでしょうか?全くなくなっても、問題ない???
実は昔から気になっていたところではあるんです。
芸術や文化の影響って目に見えにくいですよね。数字で表せないじゃないですか。
芸術や文化は、食料のように手に入らないとすぐに死んでしまうようなものではないかもしれないけれど、あった方が心穏やかに過ごせることは間違いないと思うんですけどねぇ・・・。
なかなか自分でも明確な答えが出せないテーマなんです。
ん~、例えばなんですが、芸術文化はひとつの「教養」とは考えられませんか?
昔わたしがドイツで学生だった頃、「寮で音楽会を開くから聴きに来て!」と医学部の友達に誘われたことがありました。
先約があったのか随分と遅刻してしまったので最後の方しか聴けませんでしたが、演奏者はその寮に住んでいる学生とその友達でした。
医学部の学生が集まって各々が弾ける、ピアノとかハープなどの楽器を演奏していて、「うわぁ、ハイソ~!」との印象を持ったのは確かです。
「教養」
ん~、いまいち説得力に欠けますよねぇ・・・。
じゃあ、
「コミュニケーションの一手段・・・?」
違うかぁ・・・。
じゃあ、
「心の栄養剤」
ちょっとお花畑すぎますかね・・・?
国民の幸福度
日本って、治安も良くて経済的にも豊かで、自然にも恵まれて、医療体制もインフラも整っていて、食べ物も美味しくて、
とっても良い国だと思うんです。
だけど幸福度が低いのは何故なんでしょう???
先日2020年の幸福度ランキングが発表されました。
ドイツは17位、
イタリアは30位、
そして日本は62位。
どよ~ん。
このランキングはただ単に国民が幸せを感じて生活しているかという集計をとったものではなく、GDPや平均寿命等様々な項目をポイント化して出したものなんだそう。
今回の新型コロナウイルスの騒動で、合点がいったことありました。
①日本の生産性の低さの原因
今まで凄く不思議だったんです。なぜドイツ人は1ヵ月も夏休みが取れるのか(学生とかではなく、勤めている人の話ですよ)。今回の有事でハッキリとわかりました。それは日本の
優柔不断さ。
日本は決断に時間がかかるのですね。
ドイツ人がとっくに採決してリゾートでの~んびりしている間も、日本人は「あーじゃないこーじゃない」と二転三転しながら議論でもしているんでしょう。
政治でもそうですもんね。
今回もメルケルさんは決断が早くて無駄がなかったなと思いますよ。
一つのことを決めるのにかかる時間が短いので、いろんなことがさっさと決まり発表がされ気持ちがいいです。
芸術家への支援に関しても、具体的にはまだ決定していないとしながらも「支援する」とすぐに言っていました。
「首相が支援すると言った」というだけでも当事者たちはホッとするものでしょうが、実行に移したのも早かったですね。
日本って、なんでこうも時間がかかるのでしょうか?批判はすれど代案もなく全然協力的じゃない人達がいる?事を決定できるまでのステップが多すぎる?
言い換えると、「慎重」なのかもしれませんが、ドイツのように決断が早いと国民の不満は最小限に抑えられ幸福度も上がる気がします。
こんな調子じゃ、世界を相手にした時に日本は後手後手で他のさばけた国々から置いてけぼりにされているではなかろうか、という印象です。
ま、ドイツ政府の決断の速さも今回は成功ですが、他の事案で「焦って失敗したな」と思うこともたまにありますけどね。
②幸福度と隣人愛
ドイツでは補償の手続きが始まる前に、まず動いた人たちがいました。演奏会がなくなっても給料はもらえる正規雇用の音楽家たちです。
様々な正規雇用の音楽家の方々が、収入が途絶えてしまったフリーランスの音楽家の為にYouTubeで演奏を配信し寄付を募ったんです。
ちょっとハッとしましたよ。
「大変だろうね」と同情の声を掛けるだけではなく、この行動力。しかも見ず知らずの人を含めた他人の為に。
日本が税金で芸術文化を援助するのは変ですか その1で書きましたが、日本では「アリとキリギリスか」「生活できないならやめろ」と罵られるのに・・・。
他人を助けるために行動する。これがキリスト教の国の隣人愛なのでしょうか。
海外のセレブたちも早々に高額寄付していますもんね。
もちろん日本人全員がそうとは言いませんが、日本全体として見た時に価値観がちょっと違うなと思わされました。
人はボランティア活動が増加するほど満足度が高くなる生き物だそうですよ。
日本人全体がもっと幸福を感じるために足りない所の一端はここにもあるのではないでしょうか。
大変だと声を上げている人、困っている人々を批判するのではなく、自分なりに助けてあげられる方法を考えるくらいの気持ちが持てるようになりたいものですね。
コロナ以外のニュース
日本って幸いにも海に囲まれた島国なので、陸続きの国々のように取ったり取られたりという経験が少ないので危機感が薄いのは仕方がないことなのかもしれませんが、隣国の軍事活動への関心も忘れてはいけないと思います。新型コロナウイルスで世界中が混乱している最中であるにも関わらず、軍事活動は平常運行されています。
例えば、2020年に入っても平均毎日4隻の中国公船による接続水域への入域があり、平均4隻の領海侵入は月に1~2回ほど継続して行われています。
漁船じゃなくて公船ですよ。
前回の侵入は4月8日、その前は3月20日でした。
北朝鮮も3月には4回、4月に入っても14日にミサイル発射しています。
日本はあまり関係ないかもしれませんが、4月24日からはイスラム教の断食月ラマダンが始まります。ラマダン月にはテロも増えます。
世界中がなんかもっと平和に、友好的にならないかなぁ・・・。
ありがとうございました
今回はその1とその2に分けたほど随分と長文になってしまいましたが、最後まで読んで下さりありがとうございました!世界中で1日も早く元の生活ができるようになりますように。【関連記事】
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まぁ文句ばっかり言っていないで、よそにも目を向けてみましょう
日本の勝手な片思い・・・
ラマダンについて
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