先日、南チロル地方の公用語がイタリア語とドイツ語の地域で助っ人登録の募集がでているとポチが言うので、イタリアでバイトでも出来たらなと、履歴書を送ったんですよ。
たぶん大学か何かのプロジェクトで人が足りない時に声を掛けてくれる感じのシステムだと思うのですが、詳細は良く分かりません。
我ながらボケてるなぁと呆れますが、履歴書と共に送らなければいけなかった申請書のようなものをメールに添付するのを忘れていました。
「応募して下さりありがとうございます。しかし書類が足りないので送ってください。」とのメールで気が付いたくらいボーっとしている私ですが、そのメールの宛名には慣れない敬称がついていました。
英語で言うMr.やMs.ではなく、プロフェッソーレ(プロフェッサー)、ドットーレ(ドクター)、マエストロとか、そういう類の敬称です。
ウィキペディアによると、イタリアではお医者さんだけではなく、4年制の大学を卒業した人もドットーレだそうなので、日本やドイツでつかない敬称がイタリアではつくんだなぁと他人事のように思いました。
イタリアの敬称って謎だらけで、ポチも「え、それ自分で言っちゃうの?」という敬称を、電話口などで言っているのをよく聞きます。
イタリアって独特だよなぁとかそんなことを考えていると、ドイツに来た頃は誰にSie(敬語で「あなた」)で誰にDu(ため口で「君」)と言っていいかわからなかったなぁ~というのを思い出したので、私の経験を書いてみようと思います。
学生には先輩後輩はない
日本で初対面の相手にいきなりため口をきくってこと、あまりありませんよね。大学生だったら、普通は年上や先輩には敬語を使いますよね。相手が年上なのか年下なのかわからない場合は、まぁ一応敬語で話しますよね。
でも、ドイツは学生同士でSieを使うことは年齢や学年に関わらず、絶対にあり得ません。
面識がない相手でも、同年代の人には初めからDuで喋ります。
ドイツに来たばかりのアジア人あるあるなんですが、相手が1つでも歳や学年が上だとSieと言ってしまうんですよね。
これ、私もドイツに住んでまだ1年くらいの韓国人の年下の男の子、いわゆる「後輩」にやられて思わず懐かしくて笑ってしまったことがあります。
この韓国人の男の子とお話をした時、私は既に卒業していたし、初対面だったし、確かに私は明らかに彼より歳上でしたが、すぐに「いやいや、Duって言ってよ」と言いました。
※「Duにしましょう」というのは目上が言ってあげるのが常識です。
「オーケー」と返事しながらも、Sieと言ってしまい「あっ、Du」と言い直す下りは、私にも経験があります。
最初の頃ってSieとDuの切り替えが難しいんですよ。特にDuになると動詞も変化するし。
自分でも気が付かないうちにドイツでの生活に慣れてしまい、そんな経験も忘れてしまっていました。
学校の先生
学校の先生には、基本的にSieです。だけど大学の先生でフランクな先生もいらっしゃるんですよ・・・。
最初から自己紹介で自分の下の名前しか言わないでDuで話してくる教授とか・・・、いるんですよね。
正直、困りました。
何人かドイツ人にも「ねぇ、先生がDuって言ってきても、やっぱりSieって言うべき?」と相談しました。
ドイツ人の中でも意見は割れていて、「絶対Sie」と言うドイツ人と「向こうがDuって言ってくるんだったら別にDuでいいんじゃない?」という人がいました。
私が在学中にDuで話してくる教授は半分くらいの確率でいましたが、私がDuと呼べた教授は1人もいませんでした。
あ、そうそう。
DuとSieの挨拶なんですが、私がいたのは南の方のドイツだったので先生が「Grüß Dich」と言ってきた時は 「Grüß Gott」と返すのが無難らしいとドイツ人の友達に教えてもらいました。
私は当時「Grüß Dich」がよく聞き取れず、挨拶っぽいのでスイス方言の「Grüezi」みたいなものかと思って、「ぐりゅーすてぃ・・・(?)」と返して「ん?」という顔をされた事がありました。
まぁ他にも普通にHalloとか、ちょっと特殊ですが先生に「Servus」と言っている学生もいました。
※Servusは親しい間柄の挨拶ですが、元は「奴隷」というラテン語から発生した「私はあなたの僕」という意味の言葉なので「目上の人にも使っていいんだ」と言っているドイツ人もいましたが・・・んー、私は使いません。
会社の同僚と先輩
会社はぁ、文字で書くのはなかなか難しいんですが・・・。同期くらいの同い年くらいの人には、Duですね。向こうがこっちのことDuって言ったら、最初からDuですね。
めちゃくちゃ年上とか、厄介そうな人とか、向こうがSieって言ってくるような相手にはSieですよ。
かなり年上でも、上司でも「いやぁ、同僚なんだからSieなんて堅苦しいこと言うなよ~」と言ってくるオジサンもいました。
私が女なので、女性より男性相手の方が難易度は低かった気がします。
これもドイツ人に「ねぇ、誰にSieで誰にDuって言っていいかわかんない」と相談したら、「自分がDuって呼びたいなって思ったらDuでいいよ!」と言う人と、「年上や上司に自分からはDuとは言わない」と言う人で意見が割れました。
Duと言われると「馴れ馴れしい!」と思う人と、Sieと言われている間は距離を取られていると感じる人もいるようで、使い分けって本当に難しいなと思います。
そして、たまにしか会わない年上の同僚に会うと「あ、やべっ。この人とはDuだったっけ?Sieだったっけ?」と忘れてしまっていて面倒です。
とっても年上の知り合い
ん~、人によりますよ。本当に気ごころ知れていて親しくてもSieのままの人もいます。
むこうは私のことをDuで呼ぶけど、私はSieと呼んでいる人もいます。
とっても年上の知り合いに対して私からDuと言いだすことはありません。
近所の人とかは、向こうがDuって言ってきて、関わりが多い人だったら私もDuって言ってたかなぁ。
道行く知らない人
子供~高校生くらいまでだったら、知らない子相手でもDuで大丈夫です。中年以上の人には私はSieを使います。向こうがDuと言ってきてもSieです。
まぁ、ここら辺は日本とそう変わらないと思います。
ただ、お店の店員さんなんかには私はSieを使いますが、Duと言ってくるフレンドリーな店員さんも中にはいるんですよね。
カフェやバーのような所では、場所によってはアルバイトの学生っぽい人達にはため口をきかれます。こういう時は、こちらもDuと言っていいんでしょうが、私はSieしか使いませんね。
でも私も60歳くらいになったらお店で働いている若い子たちにDuで話しかけそうな気はします。
イタリアは?
詳しいことはわかりませんが、お客さんは店員さんに割とため口な気がします。イタリア生活、慣れません。イタリア語、難しいし。あー愚痴です。
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