
注目の欧州訪問
さてさて佳子さま初の海外公務ですが、ドイツ語では今までになく結構たくさん記事や映像が出ているという印象です。いろいろとヒットしたので、なかなか興味深く拝読・拝見させていただきました。気になるところもた〜くさんありましたよ。
今まで、ドイツ語圏では日本の皇室に関心は薄いかな〜という印象でしたが、オーストリアでは何やら盛り上がっています。
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基本的な報道
今回の佳子さまのオーストリア訪問は、国交150周年記念のをお祝いするという理由での訪問とされています。秋篠宮さまと紀子さまの次女で、4月に退位した明仁天皇と美智子皇后の2番目の孫です。
若い頃は成功を収めたフィギュアスケーター、そして様々な専攻を複数の国際的な大学で学ばれました。
という佳子さまの紹介はどの記事でも同じ定型文のようなので、宮内庁がオーストリアのプレス用に出した公式プロフィールなのかなと感じました。
どこを観光されるかなど詳しく書いてある記事もありました。
佳子という名前は、例えば「美しい子」などたくさんの意味を持っている。
と紹介している記事もあり、「へぇ〜」と思い調べましたが、圭という字は整っている様子を表し、それににんべんを組み合わせた佳という字は「整っている人=美しい人」を意味するそうです。
ある映像のニュースでは
「24歳の、テンノーの娘」
との説明がされていました。聞き間違えかと思い、巻き戻して確認してしました。違うぞ〜!
ただ、同じニュースで後に「カイザーの弟の秋篠宮の2番目の娘」との説明があったので、もしや「テンノー(天皇)」と「カイザー(ドイツ語で皇帝/天皇という意味)」がほぼ同義だということがキチンと理解されていないのかもと思いました。
ちなみに、ニュース記事なんかでは上皇・上皇后に当たる言葉はわざわざ書いてありません。
まぁ、ややこしくなるので一般市民が読むニュースでは「退位した天皇皇后」で十分というところでしょうか(書いている人もよくわかっていない可能性も否めませんが)。
だったら、125代天皇と書けばわかりやすいような気がしますけれどもね。
大統領を表敬訪問
佳子さまは月曜日にファン・デア・ベレン大統領を表敬訪問されました。会談の主なテーマは10月18日〜23日の大統領訪日についてだったそうです。佳子さまのオーストリア訪問については、だいたいどこでもこのように書いてあります。
日曜日から木曜日まで5日間オーストリアに滞在されています。訪問中は写真と映像の撮影会のみで、記者会見等は予定されていません。
メディア向けには、申し込みをしたメディアが入場できる16日(月)と18日(水)の時間等が出ていました。
オーストリアのカメラマンだけではなく各国からたくさんのカメラマンやジャーナリストが詰め掛けているようです。
床に這いつくばって撮ったんかいなというくらい、日本では見たことのない下からの角度からの写真もあり、ちょっと違和感を覚えます。
何枚かの写真はこちら(日本語に訳されています)で見られます。
王室専門のカメラマンではなく、いろいろなカメラマンがいる証拠かなとも思いましたが、複数のカメラマンが上下重なるようにカメラを構えている写真も他サイトであったので、単に場所取りの関係なのかもしれません。
スペイン乗馬学校の訪問
ウィーンのホーフブルク宮殿内にあるスペイン乗馬学校を訪問された時の写真を撮影したアンドレアス・ティッシュラーさんというカメラマンが自身のサイトで佳子さまの写真公開しています。こちら(ドイツ語です)
今のところ観光で訪れられた場所での記事というか写真はこれしか見つけていませんが、日本では公開されていない写真が見られるのはなかなか面白いですね。
ダジャレか?
こんなタイトルの記事もありました。"So schön ist die Vergangenheit - Japans Prinzesinn Kako in Wien"
"Kako statt Sisi"
これ、大まかに訳すと
「過去はなんて美しいんでしょう 日本の佳子姫 in ウィーン」
「シシィ(オーストリア皇后のエリザベート)の代わりに佳子」
という感じです。
このタイトル見て「え?もしや『なんて美しい過去なんでしょう』って王宮で発言したのかしら」と心配になりました。
それと同時に、「日本語で考えるとダジャレっぽいなぁ~」なんて思いながら読み進めて行くと、
なんと!!
「佳子という名前は『過去』という意味だ」と紹介してありました。
この記事は2人の若い女性ジャーナリストによって書かれているようですが、顔を洗って出直した方がいいですよね。
(※この2人が書いた記事以外でも「『過去』という意味」と書いてあるものはありました。こういう間違いって領事館かどこかに連絡して指摘・訂正をしてもらった方がいいんですかね。然るべき機関はこのくらいのことはとっくに把握されていて、余計なお世話ですかね。)
まぁ、ただ、このミスを除けば他の記事に比べても頑張って書いている感じはしました。
私は佳子さまが王宮の中を歩いている写真を見て、「絨毯に草履って歩きにくそうだなぁ」とは思っていましたが、この2人の記事では
日本のパスポートにもみられる菊や、竹の模様をあしらわれた芸術的な振袖という絹の着物に身を包み、日本の伝統的な木の靴で王宮をちょこちょこ歩きました
との報告がされていました。
全くもって畏敬の念が感じられない書き方でした。それは筆者が若いから「皇室」を敬った書き方を知らないからなのか、それとも単に見下されたのか、いろいろ考えてしまいました。
まぁただ、この歩き方の件に関して、この2人のジャーナリストを闇雲に責められないと思います。想像するに、正直ちょこちょこ歩く姿が印象深かったのだろうなというところです。
だからと言ってもちろんガニ股で歩いて下さいとは言いませんけどね、読んだ日本人としては皇室のメンバーがこんな風に書かれて少し複雑でした。
それにしてもですね、
伝統的な木の靴って何ですか。
下駄ですか???
その他に情報としてこんなことが書かれていました。
(佳子さまは)初めての欧州公務ですがプライベートでは長期イギリスに滞在されています。2017年にはリーズ大学で9ヶ月勉強されました。
普段、この美しい姫は公の場に出てくることは少なく、姉の眞子さまは既により世間の話題になっています。
眞子さまは2015年に平民(中流階級)のケイと婚約をする予定でしたが、認められませんでした。ケイの借金が原因だとされています。佳子さまは当時「私は、彼女の望みがかなえられることを望みます」と言いました。
ドイツ語の日本に関するニュースを読んでいて、「はぁ???」という情報もあるのに、「うわぁ、それは日本人向けのニュースで、外向けじゃないよぉ」という情報もたまにあって、いったいソースはどこからなんだろうかと不思議です。
【追記】
この2人の記事は9月16日付けで書かれた物でしたが、23日に確認したら、「過去はなんて美しいんでしょう」というタイトルは消えていて、名前の意味も「美しい子供」と訂正されていました。
日本独特の所作
オーストリアのジャーナリストの方々はどうも気になるみたいですよ。日本独特というか、佳子さまの所作が。
日本にいるとそんなに違和感ありませんでしたが、ヨーロッパで見ると日本人の私ですら、引き気味の顎と上目遣いが気になりました。
他の記事でも「微笑み・まばたき・うなずき」なんてタイトルがつけられていて、奇妙というかオーストリア人の目に不思議に映っているのは間違いありません。
日本で相槌を打つのは「話をきいていますよ」という、「感じの良い行為」とされているかもしれませんが、私の知る限りではこちらではあまり相槌はうちません。
電話口でも思うのですが、日本人は聞いている側が「はい。はい。」と、餅つきで餅を返す人のようにタイミングよく相槌を打っていますよね。しかも結構うなずきながら。
私の経験はドイツが中心ですが、電話で相手の顔が見えなくとも、相手が喋っている間は何も言わずに邪魔をしないのが普通です。
営業の電話なんて、こちらが受話器を耳から離して全く聞いていなくても、相手は気がつかずに喋り続けます。笑
もちろん、ドイツ語にも「uh huh ンフ」や「aha アハ」のような相槌の言葉もあるし「うなずく」こともありますが、首振り赤べこのような大きなうなずき方はしません。
今回のような皇室外交の場では、国際的な感覚の基準に合わせるべきなのか、日本独自の感覚を突き通すべきなのか、私にはわかりません。
日本という極東の一国に甘い妄想を抱いている欧州男子には、エキゾチックでよかったかもしれませんが・・・。
首相を表敬訪問
2019年9月16日月曜日はオーストリアの大統領と面会されましたが、18日水曜日はビアライン首相との面会でした。月曜日に着物で表敬訪問した佳子さまは水曜日の今日、連邦首相府に控えめな赤と白のワンピースで現れました。このワンピースは首相のパステルカラーのスーツと完璧に調和していました。
一目見た瞬間「被った!」と思ってしまったのは私だけではなかったようで、ほとんどの記事のタイトルが衣装についてでした。まぁでも確かにピンク色のワンピースはお似合いでしたし、首相のスーツともよく調和していたと思います。
その他の文章は、「国交150周年記念で〜」とか「誰々の娘で〜」とか、大統領を表敬訪問した時のものとほぼ同文でした。
今回の滞在中のオーストリアでのニュースはこんなものでした。
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